食事提供加算の要件の猶予期間が終わります。

今月9月で愛知県は障害福祉サービスの食事提供加算の猶予期間(これ以降は栄養士が関与しているなど要件が厳しくなる)が終わります。

春から分かっていた事なのですが、今月に入ってバタバタと質問が来ています。

栄養士の関与という部分が特に難しく、これまで事業所でスタッフが手作りで食事を提供していたところも、これを機に調理を外部に委託に変更する事業所が一気に増えそうです。

栄養士が関与というところだけを捉えて、運搬条件を満たしてない(クックサーブ、クックチル、クックフリーズやHACCP関係など)ところからおかずの提供を受けて事業所でお米を炊いてやお味噌汁をつくるなど、の方法で加算が認められると思ってる事業所もあるようなのですが…

実は留意事項通知があるんです。

そのままだと、返金するように言われてしまう可能性があるので、調理方法、運搬方法についてご確認ください。

就労支援事業の食事加算や医療連携体制加算などは、事前の届出が要らないので、事業者の判断で加算請求するのですが、キチンと要件を満たしていないと運営指導の時に返金してくださいと言われてしまう可能性があります。

まず、食事加算の要件は
①管理栄養士か栄養士が献立作成に関わること
②利用者の摂食量を記録していること
③利用者ごとの体重やBMIをおおむね6か月に1回記録していること
(体重を知られたくないという利用者さんがいたら、無理に聞き出さなくてもOK、その際には支援記録等に本人の意向を確認したことを記録しておいてください。)
ここまでは確認されている事業所さんが多いです。

そして、調理を外注する事も認められるのですが、その際の留意事項通知がこちら・・・
「原則として該施設内の調理室を使用して調理し、提供されたものについて算定するものであるが、食事の提供に関する業務を当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することは差し支えない。なお、施設外で調理されたものを提供する場合(クックチル、クックフリーズ若しくは真空調理(真空パック)により調理を行う過程において急速に冷却若しくは冷凍したものを再度加熱して提供するもの又はクックサーブにより提供するものに限る。)、運搬手段等について衛生上適切な措置がなされているものについては、施設外で調理し搬入する方法も認められるものである。この場合、例えば出前の方法や市販の弁当を購入して、利用者に提供するような方法は加算の対象とはならないものである。」

クックチル、クックフリーズはわかるけどクックサーブの定義がよく分からなくて混乱を生じている事業所もあるようですので、色々と調べてみました。

調理方法については以下の文書を見つける事ができました。

「保護施設等における調理業務の委託について」
(昭和62年3月9日)
(社施第38号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省社会局長・厚生省児童家庭局長通知)
という通知文書の中にクックチルやクックサーブについて書かれていました。

ア クックチル
クックチルとは、食材を加熱調理後、冷水又は冷風により急速冷却(90分以内に中心温度3°C以下まで冷却)を行い、冷蔵(3°C以下)により運搬、保管し、提供時に再加熱(中心温度75°C以上で1分間以上)して提供することを前提とした調理方法又はこれと同等以上の衛生管理の配慮がされた調理方法であること。

イクックフリーズ
クックフリーズとは、食材を加熱調理後、急速に冷凍し、冷凍(マイナス18°C以下)により運搬、保管のうえ、提供時に再加熱(中心温度75°C以上で1分間以上)して提供することを前提とした調理方法又はこれと同等以上の衛生管理の配慮がなされた調理方法であること。

ウ クックサーブ
クックサーブとは、食材を加熱調理後、冷凍又は冷蔵せずに運搬し、速やかに提供することを前提とした調理方法であること。

エ 真空調理(真空パック)
真空調理(真空パック)とは、食材を真空包装のうえ低温にて加熱調理後、急速に冷却又は冷凍して、冷蔵又は冷凍により運搬、保管し、提供時に再加熱(中心温度75°C以上で1分間以上)して提供することを前提とした調理方法又はこれと同等以上の衛生管理の配慮がなされた調理方法であること。

クックサーブだけ、具体的な条件が示されてないので、その他色々と調べてみました。

クックサーブとは、食材を加熱調理後、冷凍や冷蔵をせずに速やかに提供する調理方法を指すようです。

具体的には、調理後すぐに提供することで、出来立ての美味しさを保つことが特徴です。
ただし、品数が多い場合や配膳に時間がかかる場合には、適温での提供や安全面の確保が難しくなります。

一方、クックチルやクックフリーズは、調理後に急速冷却や冷凍を行い、提供時に再加熱する方法です。これにより、衛生管理がしやすくなり一定の品質を保つことができます。

事業所がクックサーブでの提供を考えている場合、衛生管理や提供のタイミングに十分注意する必要があります。また、委託業者がクックサーブに該当しないと判断した場合は、クックチルやクックフリーズの方法を検討するのが良いかもしれません。

クックサーブ(出来立てをそのまま)で提供できるのであれば、確かにそれが1番美味しいように思いますが、今はクックチル、クックフリーズもかなりクオリティーが高いものもありますので、美味しいクックチル、クックフリーズを提供してれる業者さんを探す事も検討する価値があると思います。