放課後デイサービスは10名定員と20名定員どちらが有利?

加算の有無まで含めて4パターンを実際の単位数で比較

放課後等デイサービスの定員設計を考えるとき、「10名定員のほうが安全なのか」「20名定員のほうが収益性は高いのか」で悩む事業所は多いと思います。実際には、単純に定員数だけで決まるわけではなく、児童指導員等加配加算や専門的支援体制加算を取れるかどうかで、同じ20名定員でも収益差は大きく変わります。

今回は、10名定員1パターンと、20名定員3パターンを、実際の単位数ベースで比較します。結論からいうと、20名定員でも加算を取れないと10名定員を下回る一方で、加配あり・体制ありまで取れる20名定員は最も有利です。

比較前提条件

  • 10名定員は平均12名利用
  • 20名定員は平均20名利用
  • 送迎加算は全員往復で試算
  • 専門的支援実施加算は月4回で試算
  • 処遇改善加算は13.18%で計算
  • 10名定員は児童指導員等加配加算5年以上専従常勤あり・専門的支援体制加算あり
  • 20名定員は次の3パターンで比較
    • 児童指導員等加配加算あり・専門的支援体制加算あり
    • 児童指導員等加配加算あり・専門的支援体制加算なし
    • 児童指導員等加配加算なし・専門的支援体制加算なし

なお、今回使っている単位数の前提は、放課後等デイサービスの基本報酬、児童指導員等加配加算、専門的支援体制加算、専門的支援実施加算、送迎加算の公表資料に基づいています。送迎加算は54単位×片道×児童ごと(試算では全員往復で算定してます)専門的支援実施加算は150単位/回で計算しています。(1名1ヶ月に4回算定している前提)

補足

※ここでいう「平均12名利用」は、月間延べ利用から算出した平均利用人数ベースの試算であり、恒常的な定員超過を前提としたものではありません

4パターンの比較結果

パターン合計単位(処遇改善加算13.18%込み)
10名定員・平均12名利用・児童指導員加配あり・専門的支援体制加算あり288,745単位
20名定員・平均20名利用・児童指導員加配あり・専門的支援体制加算あり342,709単位
20名定員・平均20名利用・児童指導員加配あり・専門的支援体制なし305,586単位
20名定員・平均20名利用・児童指導員加配なし・専門的支援体制なし248,996単位

差額で見ると何がわかるか

比較10名定員との差
20名定員(児童指導員加配あり・専門的支援体制あり)− 10名定員+53,964単位
20名定員(児童指導員加配あり・専門的支援体制なし)− 10名定員+16,841単位
20名定員(児童指導員加配なし・専門的支援体制なし)− 10名定員-39,749単位

実際の単位数から見えること

1.もっとも有利なのは「20名定員・児童指導員加配あり・専門的支援体制あり」

今回の4パターンの中で最も高いのは、20名定員・加配あり・体制ありの342,709単位です。10名定員・加配あり・体制ありの288,745単位と比べると、53,964単位の差があります。平均20名利用をしっかり維持できて、なおかつ児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を両方取れるなら、20名定員はかなり強いモデルです。

2.20名定員は「児童指導加配あり・専門的支援体制なし」でも10名定員を上回る

20名定員で専門的支援体制加算が取れなくても、児童指導員等加配加算が取れるなら305,586単位となり、10名定員より16,841単位高くなります。差は両方加算ありに比べると小さくなりますが、それでも20名定員の優位性は残ります。つまり、20名定員にするなら、まずは児童指導員等加配加算を確実に取れる体制づくりが重要です。

3.20名定員でも「児童指導加配なし・専門的支援体制なし」は厳しい

20名定員でも、児童指導員等加配加算も専門的支援体制加算も取れない場合、248,996単位まで下がります。これは10名定員の288,745単位より39,749単位低い水準です。定員が大きいだけでは収益性は上がらず、むしろ加算が取れないまま人員や送迎負担だけが増えると、経営的には不利になることがわかります。

放課後デイサービス経営者へのアドバイス

利用者確保に不安があるなら、10名定員は十分に有力

10名定員は、平均12名利用でも288,745単位まで伸びています。20名定員でも加算が取れないと10名定員を下回るため、立ち上げ初期や採用難の地域では、無理に20名定員へ広げるより、10名定員でしっかり埋めて加算を積み上げる方が安定しやすいといえます。

20名定員にするなら、「定員拡大」より「加算取得」を先に考える

20名定員の本当の強みは、定員数そのものではなく、従業員1名又は2名増やす事で、加算を2児童指導員等加配加算や専門的支援体制加算を20名分取れることにあります。今回の比較でも、20名定員で加配あり・体制ありなら342,709単位ですが、加配なし・体制なしだと248,996単位です。差は93,713単位もあり、この差は非常に大きいです。20名定員にするなら、採用計画と人員配置を先に固めるべきです。

送迎体制を回せるかどうかで差が広がる

今回は送迎を全員往復で計上しています。送迎加算は54単位(片道)✖️児童ごとなので、人数が多い20名定員の方が積み上がりやすい構造です。逆に、送迎を十分に回せない事業所では、今回の試算ほど20名定員のメリットが出ない可能性があります。20名定員を選ぶなら、送迎ルート、スタッフ配置、学校との連携まで含めた運営設計が必要です。

経営判断は「10名か20名か」ではなく、「どの加算まで取れるか」で考える

放課後等デイサービスの経営では、「10名定員か20名定員か」だけで判断するとズレやすくなります。本当に見るべきなのは、20名定員にしたときに、加配加算まで取れるのか、体制加算まで取れるのかです。そこまで見込める事業所なら20名定員は有力ですが、採用や集客に不安があるなら10名定員の方が堅実です。

まとめ

今回の試算では、最も有利なのは「20名定員・児童指導者加配あり・専門的支援体制あり」で、342,709単位でした。次に20名定員・加配あり・体制なし305,586単位10名定員・加配あり・体制あり288,745単位、そして20名定員・加配なし・体制なし248,996単位でした。

つまり、20名定員は加算を取れるなら強いが、加算が取れないなら10名定員より不利になるというのが、今回の比較の結論です。定員数だけで判断するのではなく、採用・送迎・加算取得を含めた実行可能性まで含めて設計することが、放課後デイサービス経営では重要です。

必要な方はLINEいただけましたら、比較Excelお送りいたします。

※本試算は単位数ベースの比較であり、実際の経営では人件費・家賃・送迎コスト・地域需要等により収支は変動します。

https://lin.ee/80L5Axb

出典

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