NPO法人について
NPO法人ってどんな法人?
教育事業、福祉事業を始める事をお考えの方のなかにはNPO法人を設立を検討されている方もいらっしゃると思います。
NPO法人とは特定非営利活動法人Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略式名称の事で、ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動の発展、促進の為の法人格になります。
(特定非営利活動法人促進法 平成10年12月施行、平成24年4月1日改正法施行)
NPO法人には、設立要件があって、どんな事業にも認められる訳ではありません。
以下の20種類の分野に該当している事、不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的としている活動である事が必要です。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
その他にも社員が10名必要など、設立する為のハードルは結構高めです。
そして事業内容も好きな事が好きなだけできるというわけにはいきません。
もちろん、上記の内容の非営利事業以外にも資金調達の為の営利事業が全く認められない訳ではありませんが、条件はあります。
1.特定非営利活動に係る事業に支障がない範囲である事
2.生じた利益は特定非営利活動に係る事業のために使用すること
が必要です。
事業をするのにはオススメ?
NPO法人設立が、事業をやるのにオススメかと言われると、私の結論から申しますと、会費が多く集まっている、ある程度規模のある任意団体がセレクトする法人としては、いい選択だと思います。
まだ、賛同者が多くない状態で特に会費や寄付金などが多く集まる予定もない、事業としてなら、NPOは、う〜んって思ってます。
登記の登録免許税がかからない、収益事業をやっていないNPO法人は法人住民税なども免除される場合もあり、メリットはあります。
法人設立前からNPO活動している団体、保護猫活動などをしているボランティア団体さまなど、既に活動歴があって、賛同してくれる会員からの会費や寄付金などで収益がある程度ある団体には、向いている法人かな?と思います。
逆に設立時に社員を10名集めるのが大変なぐらいの、まだ人が集まってない状態で無理にNPO法人設立するのは、あまりおすすめができません。
社員を無理矢理10名集めても、辞めると言われても引き留めることができません。
また、NPO法人の社員には原則、条件をつけることはできません。
趣旨に賛同した方なら入会を拒むことができませんし、また辞めるのも当人の自由で拒むことはできません
それだけではなく、NPO法人には事業報告義務があり、活動や事業が上手くいかなかったからといって放置しておくと、過料が課されたりします。
所轄庁から認証取り消しされる事もあります。
財務会計もちょっと特殊で、営利部門と非営利部門と分けて会計処理しなくてはならないので、その点も少し大変です。💦
また、事業というよりボランティアなどの市民団体活動を想定としているシステムなので、株式会社などより責任の所在が曖昧になりやすい点も気になるところです。イメージ的に求人にも不利な気はします。
上手くいくかまだ分からない事業でNPO法人設立は運営していくのが大変そう
収益を出して事業として確立し、従業員にキチンとお給料を出してやっていく事業であれば、株式会社や一般社団法人の方が使い勝手はいいのでは?というのが私の意見です。