欠席が多い児童の契約解除?
欠席が多い場合に契約を解除できる?
最近、放課後等デイサービスを運営されている事業者さんから、こんなご相談をいただきました。
「欠席が多すぎる場合には、契約を解除する方針を導入してもいいでしょうか?」
一見、事業運営上の効率を考えれば、定員枠を有効活用するために「欠席が多い利用者さんは契約を終了したい」と考える気持ちは理解できます。
しかし、ここには児童福祉法上の重要なルールがありますので、注意が必要です。
提供拒否の禁止とは?
放課後等デイサービスにおいては、一方的に契約を解除したり、利用を制限したりすることは、原則として「提供拒否」に該当し、児童福祉法違反となる可能性が高いとされています。
その根拠となるのが、次の条文です。
児童福祉法施行規則(運営基準) 第14条
指定障害児通所支援事業者は、正当な理由がなく、障害児に対してその事業の全部又は一部の提供を拒んではならない。
NGとされる対応の例
- 欠席が多いことを理由に、一方的に契約を終了する
- 他事業所と併用していることを理由に、利用制限や受け入れ拒否をする
- 「月●日以上来ないと契約解除」という一律ルールを適用する
契約を終了できるケースはある?
もちろん、すべてのケースで契約を続けなければならないわけではありません。
正当な理由や個別対応を行った上で、継続的な支援が困難であると認められる場合には、契約終了も可能です。
例
- 利用者側からほとんど連絡がなく、3ヶ月以上音信不通が続いている
- 支援関係が破綻し、再構築の見込みがない
- 他害行為などで安全確保ができない(この場合は記録・会議が必須)
運営方針に反映させるときの例文
一律の内部ルールを作ることはできませんが、「ケースごとに協議を行う」形で契約書や重要事項説明書に記載することは可能です。
当事業所は、原則として継続的な支援の実施を前提とした契約となります。
ご事情により欠席が続く場合には、支援の在り方を見直すため、個別面談等を行い、必要に応じて契約内容の見直しや終了を協議させていただく場合がございます。
まとめ
放課後等デイサービスでは、「欠席が多いから」という一律の理由だけで契約を打ち切ることはできません。
契約を終了するには、あくまで個別の状況を踏まえ、正当な理由と十分な協議が必要です。
運営上の悩みや方針づくりで迷ったときは、ぜひ専門家や行政窓口に相談してみてくださいね。
📌 この記事が、放課後等デイサービス運営の参考になれば幸いです。