就労継続支援B型の新規指定で要注意|無窓階と消防法、物件選びの落とし穴
先日、請求ソフトKnowbeさんのブログ記事「B型就労支援施設の新築で確認したい特殊建築物のチェックリスト」を監修させていただきました。この記事では、就労継続支援B型事業所を新築・開設する際に押さえておきたい、特殊建築物の考え方、用途区分、建築基準法、消防法、指定申請のポイントが丁寧に整理されています。
今回はその関連記事のような位置づけで、最近私自身がクライアントさまと一緒に、就労継続支援B型の新規指定に向けた物件探しをしている中で、実際に出会った「無窓階」のお話を書いてみたいと思います。
Knowbeさんの記事を監修しました
就労継続支援B型の立ち上げでは、人員基準や事業計画だけでなく、建物の法適合性がとても重要です。Knowbeさんの記事でも、B型就労支援施設の新築にあたって、特殊建築物と特定建築物の違い、用途区分、建築確認申請の要否、面積や規模による扱いの違いなど、早い段階で確認したい論点がまとめられています。Knowbe
就労継続支援B型の物件探しで実際に出会った「無窓階」の話
今回ご相談いただいたのは、1階が広いガレージで、開閉部はシャッター、店舗としても作業場としても使いやすそうな物件でした。作業スペースをしっかり確保したい就労継続支援B型事業所にとっては、とても魅力的に見える物件です。
ただ、こうした物件こそ、契約前に必ず確認したいのが、消防法上の無窓階に当たらないかという点です。見た目には大きな開口部があっても、それがそのまま「避難上または消火活動上有効な開口部」として評価されるとは限りません。名古屋市
無窓階とは何か
無窓階は「窓がない階」ではない
無窓階というと、文字どおり「窓がない階」と思われがちですが、消防実務上はもう少し厳密です。名古屋市の資料では、無窓階とは、建築物の地上階のうち、避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階とされています。名古屋市
つまり、単に窓やシャッターが付いているだけでは足りず、開口部の大きさ、床からの高さ、外部空地との関係、外部から進入しやすい構造か、常時良好な状態に維持されているかまで含めて判断されます。名古屋市 伊勢市
有窓階と判断されるための基本条件
名古屋市の無窓階解説資料では、10階以下の階について、直径1m以上の円が内接できる開口部、または幅75cm以上・高さ1.2m以上の開口部を2以上備え、さらに開口部面積の合計が当該階の床面積の30分の1を超えることなどが、有窓階の基本条件とされています。また、開口部の下端は床面から1.2m以内で、道または道に通ずる幅員1m以上の通路その他の空地に面していることなども必要です。名古屋市
シャッター付きガレージ物件が要注意な理由
大きな開口があっても安心とはいえない
物件を見たときに、「これだけ大きなシャッターがあれば大丈夫そう」と感じることは少なくありません。ですが、岐阜市の無窓階取扱い資料では、軽量シャッターは避難階以外の階では原則として有効開口部に算定できないとされており、一定の条件を満たす消防活動スペースや、水圧開放装置などが必要になる場合があります。岐阜市
そのため、シャッターがあることと、消防法上「有効な開口部」として認められることは同じではありません。ガレージタイプの物件は、見た目の印象だけで判断せず、図面と現地の両方で確認することが大切です。
開口部の前の障害物にも注意
開口部の前に、駐車車両、フェンス、室外機、棚、植栽などがある場合、それだけで有効開口部としての算定が難しくなることがあります。名古屋市では、道に面していてもフェンス等の条件によっては「面している」と扱われない場合があり、岐阜市でも、障害物があることで開口部算定が制限されるケースが整理されています。名古屋市 岐阜市
東海エリアでも建築・消防の事前確認は必須
愛知県の建築基準法の取扱い
愛知県では、県内全域で共通する建築基準法の取扱いとして、愛知県建築基準法関係例規集が公開されています。一方で、個別の取扱いについては、各特定行政庁や指定確認検査機関へ直接問い合わせるよう案内されています。つまり、ネットで一般論を調べるだけでなく、個別案件として確認することが前提です。愛知県
名古屋市の防火対象物使用開始届
名古屋市では、防火対象物使用開始届について、消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物をそれぞれの用途に使用するときに必要な書類と案内しています。B型事業所の物件を使用開始する前には、こうした消防手続が必要になる可能性が高いため、早めに管轄消防署へ相談しておくと安心です。名古屋市
岐阜県・岐阜市の資料から見える実務ポイント
岐阜県の指定申請書類一覧では、事業所建物の消防法適合状況を示す書類として、防火対象物使用開始届、防火対象物立入検査結果通知書、消防用設備等検査済証、消防設備等点検結果報告書等の写しが明記されています。つまり、消防対応は「できれば確認しておきたい」レベルではなく、指定申請実務の中でしっかり確認される項目です。岐阜県
また、岐阜市の無窓階資料では、シャッター、バルコニー、障害物、消防活動スペースの考え方など、現場で役立つ細かな判断材料が示されています。ガレージ型物件や店舗兼作業所タイプの物件を検討する際には、とても参考になります。岐阜市
三重県・伊勢市の資料から見える実務ポイント
三重県では、新規指定申請にあたり、建築確認済証や消防用設備等検査済証を確認した上で指定を行うこと、また建築基準法や消防法で必要な基準や手続については、事業所所在地の建築部局や消防本部へ問い合わせることが案内されています。三重県
さらに伊勢市の無窓階資料では、無窓階の判定は、床面積に対する開口部の割合、開口部の位置、構造、状態によって決まると整理されています。格子やルーバー、シャッター、ガラス仕様、維持管理の状態まで含めて見られるため、やはり契約前確認が重要です。伊勢市
就労継続支援B型の物件選びで確認したいチェックポイント
物件が魅力的でも、「そのまま指定が取れる」とは限りません。就労継続支援B型の新規指定に向けて物件を探すときは、少なくとも次の点を契約前に確認しておきたいところです。
- 作業室や相談室など、設備基準に合うレイアウトが取れるか
- 無窓階に該当しないか
- シャッターや窓が有効開口部として評価されるか
- 開口部の前に障害物がないか
- 防火対象物使用開始届など、消防手続が必要か
- 建築基準法上の用途や確認済証・検査済証の状況はどうか
- 指定申請時に必要な消防関係書類を揃えられるか
まとめ|魅力的な物件ほど契約前の確認が大切
就労継続支援B型の物件探しでは、広さ、立地、賃料、作業のしやすさなど、魅力的な条件がそろった物件に出会うことがあります。ですが、シャッターが大きいから安心、1階だから大丈夫、窓があるから問題ないとは言い切れません。無窓階の該当性ひとつで、必要な消防設備、工事内容、指定申請の進め方が変わることがあるからです。名古屋市 岐阜市
だからこそ、素敵な物件に出会ったときほど、契約前に建築・消防・指定申請の3つの視点から丁寧に確認することが大切です。新規指定は、こうした事前確認の積み重ねで、ぐっとスムーズになります。

就労継続支援B型の新規指定や物件選びでお困りの方へ
就労継続支援B型の立ち上げでは、物件選び、建築・消防の確認、指定申請の準備が同時進行になります。
- この物件で指定が取れそうか確認したい
- 無窓階に当たるか、どこに確認すればよいかわからない
- 物件探しと指定申請を並行して進めたい
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。早めに整理しておくことで、手戻りやスケジュールの遅れを防ぎやすくなります。
就労継続支援B型の開設準備でお困りではありませんか?
物件の段階では問題なさそうに見えても、建築基準法や消防法の確認を進める中で、思わぬ見直しが必要になることがあります。特に、シャッター付き物件やガレージ型物件は、無窓階の判断が重要になるケースもあります。
こんな方はぜひご相談ください。
- B型事業所の新規指定を検討している
- 物件選びと指定申請を並行して進めたい
- 建築・消防の確認をどこから始めればよいかわからない
