危機管理は法人の経営リスクに直撃する

2026年7月に熊本県で発生した地震と、その後にイオンモール熊本で発生した爆発事故により亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

事故の原因や責任関係については、今後の調査を待つ必要があります。

しかし今回の事故では、事故後の検証や説明責任が一つのテナントや現場だけにとどまらず、施設運営会社やイオン本社の対応にまで及び、イオンの社長が会見する事態となりました。

一つの現場で起きたことが、最終的には法人本部や経営陣の危機管理として問われるということです。

障害福祉事業でも同じです。

特に、本業が別にある法人では、福祉事業での不適切な対応によって、法人全体や本業の信用にまで火の粉が及ぶ可能性があります。

BCPだけでなく「非常災害対策」も必要です

BCPは未策定減算があるため、意識されるようになりました。

しかし、そのほかに忘れられがちなのが、指定基準上の「非常災害対策」です。

国の「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第70条等では、各サービスで準用される場合を含め、非常災害に関する具体的な計画を立てることが求められています。

あわせて、関係機関への連絡体制の整備、職員への周知、定期的な避難・救出訓練も必要です。

厚生労働省の解釈通知では、この「非常災害に関する具体的計画」には、消防計画だけでなく、地震や風水害などの災害に対応するための計画も含まれるとされています。

防災訓練は記録を残すためのものではない

私も、BCPの作成や防災研修に関わる中で、次のように頭を悩ませるケースを多く見ます。

「この職員数で利用者さんを守れるのか」
「実際に災害が起きたら、どう動けばいいのか」

障害特性や建物の構造によっては、物理的に難しいこともあります。

それでも、防災対策には本気で取り組まなければなりません。

防災訓練は、単に実施記録を残すためのものではありません。

実際に災害が起きたときに迷わず、自分と利用者さんの身を守るため、適切な行動が取れるかを確認するためのものです。

危機管理は法人全体の経営課題

私自身も、研修や訓練の実績報告書を、単に「減算されないように整えるもの」と考えるのではなく、危機管理は法人の経営リスクに直撃する可能性があることを常に意識し、これまで以上に真摯に向き合おうと思いました。


参考資料

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